良い方向に導いたという教師。
「今も心に残る教師はいるか?」
皆さんには、心に残る先生はいらっしゃいますか?
前に、「伝説の国語教師」と呼ばれた橋本武氏が、101歳でお亡くなりになりました。
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橋本先生は、日本屈指の進学校である灘中・高校で、
1934年から50年間にわたって教壇に立ちました。
国語の教科書を使わず、
中勘助の小説「銀の匙」1冊を3年にかけて読み込むという
独特の授業をすることで知られており、
教え子には、作家の遠藤周作氏などがいらっしゃいます。
WHYをとことん追求する授業。
■photo by mediaexpression
その授業は、ただ小説を読み進めて出てくる事柄を教えるというものではなく、
「銀の匙研究ノート」と題したプリントに書き込ませながら進めていくのだそうです。
時には横道にそれ、駄菓子屋の話がでてくれば、
実際に駄菓子を配って教室で食べ、凧あげの場面では実際に凧を作ってあげてみたり、
寿司屋が出てくれば、寿司の成り立ちや歴史を調べ、
678もある魚偏の漢字をすべて調べるなど、
楽しみながら学べる工夫がなされていました。
そのため授業は横道にそれてばかり、2週間で1ページしか進まないことも。
しかし、先生の信念は変わりません。
「すぐ役立つことは、すぐに役立たなくなる。
自分で興味をもって調べたことは、一生の財産になる」
と諭したそうです。
灘校の卒業生の話です。
「橋本先生の授業に受験対策は一切ない。
HOW TOではなく、WHYをとことん追求する授業だった。ひとつの正解を押し付けるのではなく、考える過程を大事にしていたのではないか」
私たちの多くは、この問題集をやりなさいと指示され、
常に正解を求めてきたのではないでしょうか。
その指示通りに勉強し受験をクリアしてきましたが、
考える力はどうでしょうか?
橋本先生は、生徒にWHYの繰り返し反復で考える力を鍛え、
「わかる」を「できる」にするための力を生徒に身につけさせていったのでしょう。
WHYを意識することは、私たち大人にとってもとても大事なことですね。
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